2015年10月17日土曜日

呼吸と言葉、そしてマントラ 〜 音と言葉のヨーガ 〜

私達はエネルギーという海の中で生きている。
            エネルギーは波のように絶えず動いている。
             この宇宙にあるすべての創造物は振動しているのだ。


物理学の最先端である量子力学では、物質はすべて原子核と電子で構成されており、「原子核の周りを電子が波を起こしながら振動している」と定義しています。


例え生命がないように見える個体 、例えば石や岩、あるいは机なども絶えず振動しています。

ただ、その振動が生物よりもゆっくりで低い波動であるというだけのことです。



ある波動は聞くことができます。

音は耳で聞くことのできる振動であり、波動ですね。


私達の考えや想い。言葉として音に表される前の、私達の中にある声。

それは、無音の音です。


それは、電磁気的な波動です。


考えや想いは既に、電気のように私達の内から世界へと放たれ、磁石のように何かを引きつけるエネルギーを持っています。


私達が聞いたり話したりする音や言葉に対して、さらに高い波動で振動し、低い密度で存在しています。


喜び、思いやり、感謝、愛、に満ちた考えと想いは、その中でも高い高い波動を醸し出すのは間違いないですよね☆



この宇宙全体は「音」という波動で成り立っています。

宇宙に存在する波打つ振動、存在するすべてのものの波動は、ひとつの大きな編目模様を創りだすようにつながりあっています。


私達が「ある特定な音」を醸し出すことで、ある状況、ある人、ある出来事など、その音に一致する特定の波動が引き合わされ、関わりが生まれます。




この世界を存在させている、とてつもなく偉大な真理というものは、こうした波動の一番高い周波数を放なち、振動しています。


永久に続く宇宙の創造性  
          宇宙愛(>世界愛>人類愛)  
                       人智を超えた智慧


「ある特別な音の波動」を使うことで、私達は自分の波動をこうした高い波動へと振動を上げ、意識を高めることができます。



調和に満ちた光り輝く海の中で、私達は自身を癒し、パワーの源につながることができるのです。



クンダリーニヨガでは、マントラ [ マントラの詳細は赤字をクリック★ ] を声に出したり、心の中で唱えたりすることで、この状態へと自身を導きます。

マントラは音と言葉のヨーガ。

心と頭をコントロールし、ある意図する方向へと導く、意識の方式です。





この世界に存在するすべての音の本質を、ナード(Naad)といいます。

ナードは時代を超え、全世界の言語のベースになる音です。その核となる音は、すべてが共有するひとつの源からきています。

言語の核にある普遍的な規則、そして人間のコミュニケーションのベースとなるのが、このナードです。




ナードは調和の振動です。



全世界の言語と私達のコミュニケーションのベースには、調和の核があるのです。


この調和の振動をとおし、私達は無限性を経験することができます。



私にとってその経験は、時も空間も超え、永遠に続く大きな営みの中で、ただ振動している感覚です。

たった一瞬だったりするのですけれどね。笑

その感覚の訪れる前には、脳の中にどぉおと、ねっとりとした甘露のようなものが溢れます。セロトニンでしょうか。

至福の振動、そのものになるのです。




この調和の振動をどうしたら経験することができるのかを、何千年もかけて追求したのが、ナードの科学です。

音が与える、身体、心と頭、精神への反応と影響を、舌と口の動き、そして頭の中のケミカルの変化を研究し、マントラを更に有効なものとしてきました。



クンダリーニヨガのマントラは、その多くが母音優勢な発音をする言葉を含んでいるように思われます。

インドのパンジャビ地方で話されている言葉が語源となっていますから、もちろん子音優勢な言語ではありますが、よく使われるマントラには母音が多く含まれています。


これが私にとってとても心地よく、美しい言葉に感じられるのです。



日本語は母音優勢な言語です。母音のみで意味の通じる言葉があったり、子音の後に必ず母音が組み合わされて言葉ができています。

余談ですが世界の中でも、この母音優勢な言語というのは、日本語とポリネシア語しかないそうですよ。



母音というのは、声帯を震わすだけで出る、自然音です。脳の中で皮質を超える長い軸索を刺激する働きがあることから、情感や温かみを感じさせる音だと云われています。

自然界にある川のせせらぎの音、風の音、虫の音なども、母音と同じ音の成分を多く含んでいるそうです。



これは私の個人的意見ですが、この世界の存在するすべての音の本質であり、調和の振動であるナードは、母音からできているのでは、と思うのです。

クンダリーニヨガのマントラを唱えていて、自然界、それを包括する大きな宇宙の調和の波とともに揺れていると、そんなことを感じるのです。




私達の体をエネルギー的に見ると、喉から上3つのチャクラは「天」へとつながり、みぞおちから下3つのチャクラは「地」へのつながりが深い傾向にあります。

中心となる心のセンターは、上下のセンターが交わる「人間」の領域です。


音とナードのパルス(瞬間波動)は、上3つのチャクラを支配します。


私達が普段話す言葉は、下3つのチャクラからきています。動物的で衝動的な物事を反映している言葉です。


呼吸はこの衝動的物事に影響を受け、私達の言葉は感情を往々にして反映します。


緊張したり、ストレス下にある時、呼吸が短く浅くなるのは、誰しもが経験していることですよね。

そして、つい、感情から言葉を発してしまうことも、往々にしてあるものです。



マントラを唱えることは、心のセンターで上下各3つのチャクラのバランスをとること。



「天」から授けられた言葉を、丹田をとおし「地」のエネルギーを加え、呼吸とともに愛と思いやりのセンターである心を経て、世界へと放ちます。


呼吸はプラーナ。言葉に生命の力を吹き込みます。


マントラのチャンティングを練習すると、呼吸と言葉の関係に気づきが生まれ、普段の言葉にも力が宿るようになってきます。




『吸気は燃料。エネルギー源だ。

呼気は、その吸い込んだエネルギーをどの様に表しているのか、ということだ。

生命は、どう息を吐くかによって大きく影響される。

私達の言葉は、吐く息とともに届けられるのだから。』






クンダリーニヨガを西洋へ広めたヨギ・バジャンの言葉です。



ヨギ・バジャンは、吐息の質というのがとても重要であるとも言っています。

ヨガの体位をしっかりとるにも吐く息の質が大切。


そして、自分の印象や想いを相手に伝えられるのか、といったことにも吐く息の質は直接的な繋がりがあると述べています。


これは呼吸と言葉の関係に気づくと、実感して頂けるかと思います。




こうしたマントラのチャンティングを含めた「呼吸と言葉」をテーマにしたクンダリーニヨガのスペシャルクラスを開きます。



呼吸と言葉の関係はもちろん、マントラの持つパワーをしっかりと感じて頂けるよう練習してゆきます。


言葉を話す上で大切な丹田の使い方、そして丹田力を強めるエクササイズもたっぷりあります☆



現代社会に於いて、言葉の力はすべてを牛耳るといっても過言でない程大切なものです。

自身の言葉の力を、マントラ、そして、呼吸とともに鍛えてゆきませんか。






INSPIRATION、発想の源泉、霊感、ひらめきなどを意味する英語のこの言葉には、息を吸うこと、吸気といった意味もあります。



自身を高める呼吸と言葉、手に入れたいですね☆